作曲科の活動ブログ

【レポート】 第47回作曲作品演奏会

2014年12月4日、本学室内楽ホールにて、「第47回作曲作品演奏会 ~二十絃筝奏者 吉村七重さんをお迎えして~」が行われました。
作曲作品演奏会は、国内外よりプロの演奏家を招聘し、学内公募によって選ばれた学生作品などの演奏を行う、毎年恒例のイベントです。今回は二十絃箏の第一人者として知られる吉村七重さんをお招きし、また共演者として同じく二十絃箏・十三絃箏演奏家の田村法子さん、下田れい子さんにもご出演いただきました。
進行にあたり、作曲専攻の久留智之教授が司会を務め、楽器の特色・歴史などについて、吉村さんによる解説も交えてのコンサートとなりました。日頃西洋音楽を中心に学んでいる私たちにとって、箏のライヴ演奏を耳にするのは貴重な機会です。学外からも多くの方が来場されました。

演奏会は二部構成。前半はワークショップ形式で、作曲専攻の学生による新作が初演されました。

初めに披露されたのは、学部3年生の上符夏実さんが作曲した『狂乱桜 Kyo-ran-ou ~二面の二十絃箏のための~』。コラージュ手法によって実験的に書かれた作品で、素材として日本古謡の『さくらさくら』と、メシアン作曲『世の終わりのための四重奏曲より VI. 7つのトランペットのための狂乱の踊り』の抜粋が用いられています。西洋的な音階システムと、幾何学的リズムのなかから、徐々にノスタルジックな東洋の響きが聞こえてくる、印象的な一曲でした。

つづいて、大学院博士前期課程1年の土屋未来さんによる『春始 ―Harunohajime―』が演奏されました。古代日本の歌曲ジャンル「今様」に着想を得、特有の音型を積極的に取り入れる一方、今様・箏双方の新たな一面を引き出すため、詩の意を汲んだ構成や、ポリフォニックな要素を導入するなど、創造的なアプローチを試みた作品でした。それに伴い、独自の奏法も生み出され、”和”の雰囲気に満ちた華やかな作風のなかで、鮮やかな効果を上げていました。

前半の最後に、参考作品として新実徳英『青の島』(1989)より抜粋が演奏され、会は「コンサート~二十絃箏作品の歴史」と題した後半に移りました。

後半では、プログラムを予定と若干変更し、三木稔『箏譚詩集<春>より 華やぎ』(1976)、久田典子『Progression 2012 for 20-stringed Koto』(2012)、久留智之『うつりの美学~二面の二十絃箏のための~』(2010)、西村朗『七重 独奏二十絃箏のための』(1988)の四曲が演奏されました。過去40年ほどのうちの、さまざまな時期に書かれたこれらの楽曲は、それぞれ全く異なるコンセプトに基づいており、特徴的な奏法や調弦によって斬新な音響を創出しています。二十絃箏という楽器のもつ大きな可能性と、革新性に満ちた歴史とを感じられるプログラムでした。

次回の作曲作品演奏会は、2015年5月の開催を予定しています。
日程が近づき次第、詳細を掲載いたします。ぜひ足をお運びください。

第47回作曲作品演奏会 久留教授と出品者のふたり

(文責:M1年 武藤)

2014
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