作曲科の活動ブログ
第682回学内演奏会 第1夜 プログラムノート
猫の休日 / 野中 由紀
平田俊子さんの詩「猫の休日」による歌曲です。
この詩の持つ独特の雰囲気に合わせて、曲にしました。
嘷を成す ソルレソルによる / 武藤 綺音
“ソルレソル”は、19世紀のフランス人作曲家、フランソワ・シュドルによって考案された人工言語である。すべての語彙がド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの7種類のシラブルのみから成り立っており、”音楽語”の別称によっても知られている。
『嘷を成す』では、チェロが朗読するソルレソルの「詩」を、ハープが「音楽」であると誤解し、いくつかの曲想へ引きずり込んで、次第に瓦解させてゆく。テキストは中島敦の短編『山月記』より、虎と化した主人公の孤独——“不成長嘯但成嘷(詩を吟じることができず、私はただ吼えるばかり)”——が印象的な七言律詩を採った。ソルレソル語への翻訳は作曲者自らの手による。
耳にきこえる音とことばとの境界、あるいは音楽が託される「意味」と言葉が持つ「意味」との差異に対する興味から、この作品の構想は出発した。
3人の奏者のための組曲より はこべの花のうた / 栗本 彩加
風が春を呼ぶとき…
弦楽四重奏曲 ト短調 / 中野 健一
2011年度前期の提出課題に若干の手直しを加えたもの.作曲するにあたって,あまりこだわらず,とにかくシンプルなものを心がけた.
第1楽章: エレジー Molto moderato
穏やかな祈りの音楽.まず,第一ヴァイオリンに導かれて陰気な主要部が現れるが,すぐに中間部の優しい旋律に取って代わる.その後チェロの物憂げなカデンツァを経て,いくらか明るく変調された主題が再現する.
第2楽章: ワルツ Tempo di Waltz
くつろいだ雰囲気の小曲.武満徹・「ワルツ(他人の顔)」が念頭にある.中間部に,人を喰ったような複調の試み.
第3楽章: ロンド Poco allegro – Allegro con brio
ショスタコーヴィチふう無窮動.ごく短い序奏のあと軽快な第一主題が第二ヴァイオリンに出る.それは曲中何度も繰り返し登場し,その間に各エピソードや第二主題がロンド形式の定型どおりに導入される.
メゾ・ソプラノとピアノのための 「はやぶさ II」 / 松井 美和
2011年度後期提出課題。2012年3月「坂ノ上.com」演奏会にて初演。
小惑星探査機はやぶさがテーマ。
最初の3首ははやぶさの「生みの親」である川口淳一郎教授による。
最後の1首は平成22年度の皇后陛下の御歌より採用、
今回は歌詩を入れて歌唱する。