作曲科の活動ブログ

[レポート]とめクラス試演会2016

1月20日(水)、愛知県立芸術大学中リハーサル室にて「とめクラス試演会」が行われました。
とめクラスとは本学作曲専攻教授の久留智之先生のクラスの通称です。
とめクラス試演会では毎回作曲テーマを決め、それにあわせて久留教授および門下生が音楽を創り出します。5回目を迎える今回の試演会のテーマは「合わせる」。「何が」「どのように」「合う」のかという方法論を問われるテーマに、それぞれ考えを巡らせ、音楽に表現しました。

一つ目の作品は、丹羽菜月(M1年)による「Piano Trio」。画像が滑らかに他の画像に変化するように、複数の画像の中間の画像生成して連続的に変化させるモーフィングというCG技法から作曲の契機を得て、ニュアンスの”合わせ”の可能性を探求したこの作品は、急激で、様々な音色のポルタメントを多用し、楽音からノイズへの変化、歪んだオクターブなど、様々な音の素材によって構成されたエネルギッシュな作品でした。

二つ目の作品は土屋未来(M2年)による「フルートとピアノのための”O Romeo!”」。楽器のアンサンブルにおいて”合わせる”とは楽器同士が”会話”することだと考え、会話をテーマに作曲されたこの作品では、会話のテクストとしてシェークスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」を題材に現代の多様化かつ複雑化したコミュニケーションを茶目っ気たっぷりに表現した作品でした。

三つ目の作品は中村咲希(1年)による『「書」 より断片 実験』。書を題材として文字を書くリズム、筆圧、呼吸、動きなどを打楽器奏者5人で”合わせ”て演奏された作品。段ボールで作られた巨大な太鼓から紡ぎ出された繊細な音色は特別な空気感を生み出しました。

四つ目の作品は、久留智之教授による「風の子守歌」。笙、ピアノ、歌による編成で、笙(日本)とピアノ(西洋:12平均律)の音律のズレ、民謡の発声法と西洋クラシック音楽的発声(ベルカント)など異文化の”合わせ”を表現しました。

五つ目の作品は、久留智之教授による「Clap Slap Tremble」。この作品では、長い伝統をもち高度に発達した西洋音楽と、その美学に沿ってメカニカルに改良を重ねた西洋楽器に対する小さなアンチテーゼを念頭に、非常にプリミティブな楽器(フィリピンの竹製打楽器 バリンビン)と西洋のメカニカルな楽器(フルート、オーボエ、クラリネット)の併用、ジェスチャーや掛け声の使用による音楽的の活性化など、こちらも異文化の”合わせ”を表現した作品でした。

今回の試演会では、普段演奏会で耳にしないような段ボールの楽器や竹製の楽器などを用いた作品など、多種多様な作品が披露され、個性あふれる演奏会となりました。

とめクラス試演会以外にも本学では作曲専攻生らによる演奏会が積極的に行われています。
どうぞお気軽に足をお運びください。

とめクラス試演会 久留教授と門下生(クリックで拡大)

(文責: M2年 土屋)

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